スマホの基本性能をきめるCPUについて過去の記事で個別でまとめてきましたが、総集編的に網羅していきます。
PCとの大きな違いとしてPCの場合IntelのCORE iシリーズが知名度も高くCORE i7、CORE i5、CORE i3などと非常分かりやすく詳しい人でなくても比較的目的にあった性能を得やすいです。
スマホの場合PCと違いCPUが表に出てくることが少ないので興味のない人には選択が非常に難しいと思います。
なのでスマホのCPUの比較を交えた見方から選び方までまとめますので参考になれば幸いです。
Contents
スマホに搭載されているのはCPUではなくSoC?

スマホにCPUは搭載されていますが、SoC[System on a chip]というスマホを動作させてるチップの主要機能の1つがCPUとなります。
その他にゲームなどのグラフィックを扱うGPUやAIの演算などを行うDSPやNPUもSoC内に入っています。
つまりスマホの場合CPU単体で見ることよりSoCの見方を覚えることでより目的にあった端末を探すことが出来るようになります。
SoCについては下記の記事でより詳細に解説させて頂いているので興味があればご参照くださいませ!

また、スマホに使われているCPUはほぼ全てARMのアーキテクチャー[構造]を元に作られています。
CPUやARMについては興味がある場合は下記の記事が該当しますのでご参照頂けると幸いです。


スマホに搭載されているGPUはゲーム性能に直結

SoCに搭載されるGPUはゲーム性能にクリティカルに影響します。
特に最近人気にグラフィックをフルに使うPUGBなどのFPSゲームはGPU性能が低いSoCが搭載された端末を買ってしまった場合快適に遊ぶことが困難です。
PC違いGPUをCPUとは別に選ぶということが現状出来ませんのでSoCのCPU性能だけでなくGPU性能もしっかり見極ることが重要です。

スマホに搭載されているSoCの種類

それでは実際にスマホではどんなメーカーがSoCを出しているのかお伝えしていきます。スマホのSoCを開発している主要な会社は下記の5社になります。
会社名 | SoCブランド名[シリーズ名] |
---|---|
Qualcomm[クアルコム] | Snapdragon[スナップドラゴン] |
MediaTek[メディアテック] | Helio[ヘリオ] |
HiSilicon[ハイシリコン] | Kirin[キリン] |
Samsung[サムスン] | Exynos[エクシノス] |
Apple[アップル] | Aシリーズ |
上記の内一社はAppleですのでiPhoneの場合選択肢がないのですがAndroidの場合4社から選ぶこととなります。
日本のキャリア[ドコモ au SoftBank]で発売されている端末に関してはHuawei製を除き殆どがQualcommですのでSIMフリー機に興味がない方は実質的にはQualcommから選択することになります。
SoCの詳細は下記の記事からより詳しく知ることが可能ですので興味が有りましたらご参照くださいませ!

スマホに搭載されているSoCの処理速度

それではスマホに搭載されるSoCの処理速度はどのようにみていくのか説明していきます。
処理速度を知るにはベンチマークスコアを参考にするのが最適です。
スマホの性能を計るベンチマークは無数にあるのですがよほどのこだわりや特定利用に特化した使い方でなければ下記の2つのメジャーなベンチマークで十分です。
Antutu
Geekbench 4
上記2つはそれぞれCPUやGPUを快適度などの総合スコアを計るAntutuとCPUのシングル性能とマルチスコア性能の計測に特化したGeekbench 4となります。
ベンチマークの数値が=快適度とは言えないまでもほぼ比例するので[Antutu][Geekbench 4]のスコアを参考にしましょう。
また、Antutuは総合スコア以外に個別のスコアも計測されるのでゲームなどの用途を重視する場合はGPUスコアにも注目しましょう。
ベンチマーク毎のSoCのスコアの目安は下記の記事で確認できますのでお手数ですがご確認頂けると幸いです。


スマホに搭載されているSoCの選び方

SoCの処理速度を確認するベンチマークの解説まで終わりましたので実際どのようなスコアの基準で選ぶのか用途別にお伝えしていきます。
ゲーム重視の場合
グラフィック重視のゲームをメインにする場合はGPU性能が重要ですのでAntutuスコアで25万点以上のSoCが搭載されている端末を選びましょう。
メーカー | SoC | Antutuスコア | 主なデバイス |
Qualcomm | Snapdragon 855 | 350,000 | Galaxy S10 |
Qualcomm | Snapdragon 845 | 288,000 | Xperia XZ2 |
HiSilicon | Krin 980 | 316,500 | P 30 Pro |
Samsung | Exynos 9820 | 330,000 |
Galaxy S10[海外]
|
Apple | A12 | 340,000 | iPhone XS |
ゲーム重視かつコスパも考える場合
グラフィック重視のゲームもするけどコスパも重視したい場合はAntutuスコア20万点以上でグラフィック重視のSoCがおすすめです。
メーカー | SoC | Antutuスコア | 主なデバイス |
Qualcomm | Snapdragon 730G | 228,000 | |
Qualcomm | Snapdragon 730 | 211,000 |
一般的な使い方を快適に使いたい場合
SNSやブラウザやゲームを少しやる程度であればAntutuスコア15万点前後、Geekbench 4ではシングルスコア1,500前後、マルチスコアで5,000前後のSoCがおすすめです。
QualcommのSoCでAntutuを計測する場合は差がSnapdragon 710とSnapdragon 675は総合スコアがかなり近くなりますがGPU性能ではSnapdragon 710が有利ではありCPU性能ではではSnapdragon 675の方が優秀ですのでゲーム以外の用途を重視する場合はSnapdragon 675を選択した方が快適に利用可能です。
当然Geekbench 4ではSnapdragon 675の方がスコアが高くなっています。
メーカー | SoC | Antutuスコア | 主なデバイス |
Qualcomm | Snapdragon 710 | 169,000 | Mi 8 SE |
Qualcomm | Snapdragon 675 | 174,000 | Redmi note7 Pro |
Qualcomm | Snapdragon 670 | 157,000 | Redmi note7 |
Qualcomm | Snapdragon 660 | 141,000 | Mi A2 |
HiSilicon | Krin 710 | 137,000 | P 30 Lite |
MediaTek | P70 | 145,000 | UMIDIGI S3 Pro |
MediaTek | P60 | 135,000 | UMUDIGI F1 |
Apple | A9 | 130,500 | iPhone 6s |
多少の不便を覚悟してコスパ重視の場合
SNSやメールが中心でレスポンスをそこまで重要視しない場合はAntutuスコア8万前後、Geekbench 4ではシングルスコア800以上、マルチスコアで3,000以上が1つの目安となります。
ただし、このレベルのSoCは問題なく使うことはできるもののCPUはリトルコアしか搭載してないこともあり実利用では快適性が上位SoCと比べると格段に落ちますので注意が必要です。
メーカー | SoC | Antutuスコア | 主なデバイス |
Qualcomm | Snapdragon 625 | 78,000 | Redmi 6 Pro |
Qualcomm | Snapdragon 450 | 72,500 | arrows Be |
HiSilicon | Krin 659 | 85,500 | P 20 Lite |
MediaTek | Helio P25 | 77,000 | DOOGEE MIX |
スマホに搭載されているCPUの比較と見方まとめ
PCを選択するときに比べてメーカーも多く一見わかりにくいですが国内では殆どQualcommのSnapdragon搭載端末を選ぶことになりますのでSnapdragonのベンチマークをみつつ気になる機種がSnapdragonではない場合、Snapdragonを基準に判断すると良いでしょう。
また、iPhoneの場合は基本的に世代ごとに新設計のハイエンドSoCが搭載されますのでiPhone6s世代のA9以降であれば現在でも多くの場合はある程度快適に利用することが可能です。