昨日、Qualcommは新たなSoCのSnapdragon 730G 730 665の3チップを発表した。
フラグシップである800シリーズに比べ注目度は低いが性能的にも要求スペックが一巡した今、今後さらに需要の伸びるミドルレンジ帯に力いてれきた格好だ。
今回の発表では基本スペックはもちろんカメラやAI、ゲーム利用に想定される730とゲーム性能は低くても基本性能のたかい665がされました。
元々700シリーズと600シリーズの境が曖昧だっただけにどのような方向性で差別化を測るのか非常にみものです。
Snapdragon 730G/730
いわゆるゲーミング向けSoCとして発表されたのはSnapdragon 730G。
CPUにはCortex-A76をベースとしたKryo 470×2とCortex-A55をベースとしたKryo 470×6が搭載されGPUにはAdreno 618が搭載されています。
その他にもいわゆるAIに利用される機械学習を改善させるTensor Acceleratorや最新のWi-Fi 6、トレンドのカメラ強化路線のマルチフレームノイズリダクションなど順当な進化となっています。
スペック的にも高く実利用ではほとんど問題ないかと思いますが、僕は思いました。
Snapdragon 675のGPUを強化しただけじゃね?と
ということは以前から問題として浮上していた600シリーズに多くのSoCと詰め込んでしまった問題と700シリーズの差別化においてはGPU性能で差を出す感じになって行きそうです。
下記の記事でもAntutuのスコアを出していますがGPU性能以外殆ど差がないですからね。
ハイエンドSoCとミドルレンジSoCの差を埋めるために700シリーズとして発売されているのでもう少しGPUは強化されていてほしかったですね。
Snapdragon 730Gと730の差はGPUのクロック周波数の差となりG版のほうがやや性能が高いです。
Snapdragon 665
Snapdragon 665は見方によって大きく評価が異なるSoCになるかと思います。
Snapdragon 730と同様カメラ性能やWi-Fi 6など順当な進化をみせるものの基本スペックはCortex-A73ベースのKryo 260×4とCortex-A53ベースのKryo 260×4の構成で前モデルのSnapdragon 660と差はありません、おまけにAntutuベンチマークではCPU性能もGPU性能も殆ど変わらないためいまいち必要性を感じにくです。
しかしSnapdragon 625や636からの進化と考えるとCPU性能もGPU性能も順当に強化されていますので乗り換えの候補となります。
その他の視点では既に発表されているSnapdragon670や675がそれぞれCortex-A75やCortex-A76ベースのCPUを使っているのでシングル性能が高く魅力的ですのでよほど価格に差がなければ魅力が薄いSoCにみえてしまいます。
Snapdragon 730G 730 665のまとめ
以前より課題のあった600シリーズと700シリーズの差別化と600シリーズの詰め込み問題。
QualcommとしてはGPU性能で差をつける、つまりゲーム特性で差をつけることで差別化を測る路線のようです。
(CPUではSnapdragon 675とは差がないですしね、、)
逆に600シリーズの詰め込み問題はまだ解決しそうにないです。
ただ型番的にはSnapdragon 660の後継的な立ち位置の665ですが636からの後継と考えるとSnapdragon 675とはCPUのシングル性能では明確に差がつきます。
とはいえ660や665はビックコアを4コア使っているのでマルチ性能では675と差があまりないためもう少し差別化を図れると600シリーズもわかりやすくなると思います。
あとSoCのサイズが製造プロセスが違うとはいえSnapdragon 665が一回り大きいため影響の大きさを物語っています。
