2019/4/17にQualcommとAppleの長期にわたる訴訟が和解という形で膜を下ろしました。
2017年から続く訴訟だっただけに突然の和解にはビックリした人も多いはず。
同時にQualcommとAppleは2年間の延長のオプションを加えた6年間のライセンス契約を結ぶ事となりました。
特許料の支払いなどの和解金額は不明ですが今までの経緯を考えると相当額かと思われます。
なんせQualcommからしたら特許料が払われないことにプラスして膨大な販売台数を誇るAppleに通信モデムの供給もできてない状況でしたので機会損失という意味では相当大きなダメージだったと思われます。
一部ではAppleを通してIntelに情報を流されたなんて話もあるぐらいなので。
それではなぜ2年間も争ってきた両社が和解できたのか、というかAppleが条件を特許料の支払いをするという判断がいきなり出てきたのか考えると同日にIntelが5Gの通信モデムを開発を終了すると発表があったのでなんとなく理解できました。
近年AppleはSoCを始めとする半導体を中心に内製化に力を入れており、通信モデムも自社で製造することを考えていた可能性が高いです。
しかし5Gの通信モデムはもちろん4Gの通信モデムも特許の問題と同時に膨大なノウハウがなければ実利用に耐えれるだけの通信モデムを作ることは困難です。
そのためAppleは長期的な開発を視野に入れていたはずですが開発の間の採用できるチップが必要でその通信モデムをIntelが供給していましたが、Intelが5Gの通信モデムを開発終了が確定したため特許料を支払ってでもQualcommと和解を急いだのでは考えられます。
とはいえ通信モデムを作れるメーカーはQualcommとIntelだけかというと他にもHuaweiを筆頭にMediaTekやSamsungなども開発&製造をしています。
しかし5Gという分野においてはQualcommやHuaweiが圧倒的に先行しておりアメリカと中国の関係などを考えるとHuaweiの通信モデムは実質採用できないのでQualcommと和解しない限り5Gの分野で圧倒的に遅れると考えたのではないでしょうか。
Qualcommはこれまで支払われていなかった特許料や6年間のライセンス契約に、莫大な販売台数を誇るAppleに通信モデムを売ることができるなど実質完全勝利というレベルでの和解ですので株価も急上昇しています。